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No.203

咳、咳エチケット

内科・精神・老年 | 2016年09月発信

最近、咳嗽で受診される患者さんの中に、以前に咳喘息と診断されたという方がよくおられます。本当に咳喘息?そのような方に、咳喘息の診断的治療薬である気管支拡張剤を使用しても全く効果がなく、通常の咳止めでよくなっていく方があります。
  
咳は、気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排出する生体防御反応として発生します。持続期間により急性咳嗽(3週まで)、遷延性咳嗽(8週まで)、慢性咳嗽(8週から)に分けられます。2週間咳がつづくと結核の心配があり、医療機関を受診してくださいという案内がテレビで流れていたこともあり、2週間も続くと何か変な咳ではないかと心配されることもよくあります。急性咳嗽で最も多いのはウイルス性感冒によるものです。急性咳嗽の10人中7人が感染性咳嗽、遷延性咳嗽の10人中2人が感染性もしくは感染後咳嗽、慢性咳嗽の10人中1人が感染後咳嗽といわれていて、単に長く続いていてレントゲンで異常がないから咳喘息というわけではありません。感冒などの感染に伴う咳嗽が2ヶ月以上続くことも少なくないのです。
  
感染に伴う咳をしている場合、さらにくしゃみや鼻水がでている場合は、咳エチケットを実行しましょう。症状がでている人がまずマスクをして、くしゃみや咳で飛び散るしぶきを介した飛沫感染を予防することが大切です。マスクをしていても鼻部分がでていたり、すきまがあったり正しい付け方ができていないと周りの人に感染を広げてしまいます。ティッシュで鼻をかんだり、痰が出た場合は、ゴミ箱に捨てたあと必ず手洗いまたはアルコール消毒をすることが大事です。正しい咳エチケットを身につけて感染予防に努めましょう。