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No.197

流涙症(なみだ目)について

眼科・耳鼻科・皮膚科・整形外科・外科 | 2015年12月発信

涙は通常目の表面にほぼ一定量あります。涙は目が乾かないように潤し、栄養や酸素を補給し、ばい菌が付かないようにする役割があります。涙は目にとっては非常に重要なものですが、過剰にあると涙がたまる、もしくはあふれてしまうなどの症状がでます。この状態を流涙症と言い、ひどくなるといつも涙をふく必要があり、まぶたがただれたりして強い不快感がでます。また、涙で視界がぼやけ、見えにくさもでてきます。

 

涙は上まぶたの目尻側にある涙腺より出てきて、くろ目やしろ目を潤し、上下のまぶたの目頭側にある涙点より吸収されます。吸収された涙は涙道を通って、鼻の奥に流れていきます。

 

流涙症の原因は涙が多く出てしまうもの(分泌性流涙)と涙が流れにくくなってたまるもの(導涙性流涙)に分かれます。分泌性流涙の原因としては逆まつげ、異物、角膜炎、結膜炎、ドライアイなどがあり、目の表面に刺激があって涙が増えてしまいます。導涙性流涙の原因は涙道閉塞、結膜弛緩症、眼瞼外反、顔面神経麻痺などがあります。涙道閉塞は涙点より先の涙道が詰まっており、涙が流れなくなります。結膜弛緩症はしろ目の表面の膜が年齢とともにたるんできてしわのようになり、しわが涙の流れを妨げます。眼瞼外反や顔面神経麻痺は涙を涙点から涙道に吸収するために重要なまばたきに不具合が起こり、涙が吸収できなくなりたまってしまいます。

 

治療としては分泌性流涙の場合は逆まつげの除去、手術、異物の除去、角膜炎、結膜炎、ドライアイに対する点眼などがあります。導涙性流涙の場合は涙道閉塞、結膜弛緩症、眼瞼外反に対する手術、顔面神経麻痺に対する内服、点滴などがあります。

 

代表的な流涙症の原因と治療を挙げましたが、流涙症の原因にはこれ以外にも様々なものがあります。また、ひとつの原因のみでなく、複数の原因が重なっていることも多いです。
そのため、流涙症を治すには、まず何が原因で流涙症が起こっているのかを見つけることが重要となり、その原因に対する適切な治療が必要となります。