HOME > 健康情報 > 健康一口メモ > みずぼうそうとおたふくかぜのワクチンについて

No.181

みずぼうそうとおたふくかぜのワクチンについて

予防接種 | 2013年11月発信

 みずぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルスによっておこる感染力がたいへん強い感染症です。多くの場合それほど重くなりませんが、日本では、毎年約3,000人が重症化し、10人以上がみずぼうそうで死亡しています。健康な子どもや大人も重症になることがあります。
水痘帯状疱疹ウイルスは、みずぼうそうが治ったあとも、神経細胞の中で生き続けています。そして、その人の免疫力が落ちた時に、神経を傷つけながら再び皮膚に症状が出します。これが帯状疱疹です。一般的には大人(高齢者)の病気ですが、子どもでもおこります。帯状疱疹のときの神経痛は激しいことも多いです。
 
 みずぼうそうは、ワクチン(任意接種・生ワクチン)で予防します。1回だけの接種で数年以内に約20~50%の人が発症すると言われています。多くの場合、自然感染するよりも軽くすみますが、帯状疱疹になる可能性があります。しっかりと免疫をつけるためには2回の接種が必要で、世界では、2回接種が標準です。日本ではみずぼうそうの患者の70%以上が4歳以下なので早期に十分な免疫をつける必要があります。日本小児科学会では1回目を生後12~15ヵ月、2回目を18~23ヵ月に接種することを推奨しています。地域によっては公費助成があり、近々定期接種になる見込みです。みずぼうそうワクチンの副反応はほとんどありません。
 
 おたふくかぜは、日本では平均すると毎年約60万人がかかっており、多くの合併症があります。無菌性髄膜炎は100人に1~2人の割合で起こります。一生治らない重度の難聴になることがあり、約1,000人に1人の割合で、年間700人くらいがかかっていると推定されています。脳炎が毎年約30人に起こっていて、障害が残ったり死亡したりすることもあります。
 
 おたふくかぜもワクチン(任意接種・生ワクチン)で予防します。世界の多くの国では、おたふくかぜワクチンを定期接種で2回受けているので、流行はあまりありません。1回だけの接種では徐々に効果が薄れ、5年たつとその傾向が強くなります。日本小児科学会では1回目を生後12~15ヵ月、2回目を小学校入学前の1年間に接種することを推奨しています。これも地域によっては公費助成があり、近々定期接種になる見込みです。おたふくかぜワクチンの副反応としては、数千人に1人の割合で、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)になることがあります。また大変まれですが、ワクチンでも脳炎を起こすことがあることが最近分かりましたが、自然のおたふくかぜの脳炎(毎年約30人)に比べて、まれで、症状も軽いと言われています。