No.135
睡眠時無呼吸症候群
内科・精神・老年 | 2009年05月発信
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が一時的に止まる状態を繰り返す病気です。無呼吸とは10秒以上の呼吸が停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上または7時間の睡眠のうちに30回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
肥満の人では、のどのまわりの脂肪が多いため、睡眠中に上気道が狭くなり、空気がそこを通ると大きないびきが起こります。さらに舌の付け根が重力で落ち込み、気道をふさぐと呼吸が止まります。ただし、やせている人でも顎が小さいために発症することがあり、また子供ではアデノイド肥大や扁桃肥大などが原因になる場合がほとんどです。
主に、いびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状があります。生活習慣病と密接に関係しており、放置すると生命の危険に及ぶこともあります。また、SAS特有の眠気は 交通事故を起こす危険もあり、ご本人だけでなく社会的にも問題となるのです。
検査方法は大きく分けて2つあります。脳波、呼吸状態、動脈血酸素飽和度、体位、心電図などをトータルに判断する終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査と、睡眠状態はわかりませんが、呼吸状態を知ることにより、無呼吸の有無を調べる簡易検査装置を用いる場合です。
日常生活でできるSASへの対応としては、ダイエット、飲酒の制限、禁煙、横向きに寝る、などがあります。また、睡眠薬の中にはかえって無呼吸を悪化させるタイプのものがあります。
治療としては、鼻から専用のマスクを通じて気道に空気を送り込み気道を広げる持続陽圧呼吸療法、下あごを上あごより前に固定することで気道の面積を広げるマウスピース、のどの閉塞する部位を手術によって切り取る外科治療などがあります。