No.133
Hibワクチン
予防接種 | 2009年03月発信
Hibとは
インフルエンザ菌b型という細菌で、冬に流行するインフルエンザの原因であるインフルエンザウイルスとは全く別の物です。Hib(ヒブ)は主に5歳未満の子どもに髄膜炎や肺炎、喉頭蓋炎、敗血症などを起こします。
特に髄膜炎は約5%が死亡、約25%に後遺症が残るという非常に予後の悪い感染症で、日本では毎年約600人の5歳未満の小児が発症しています。インフルエンザ菌による化膿性髄膜炎は新生児期には母親からの移行抗体に守られているため発症は少なく、3~4ヶ月齢になると移行抗体が消失し、罹患率が高くなります。したがって、乳児期からの集団保育では特に注意が必要です。2~3歳からは徐々に自然免疫が発達し、あるいは不顕性感染により発症率は低下し、5歳を過ぎると発症しなくなります。予防にはHibワクチン接種が重要であり、生後2ヶ月より5歳までの間に接種する必要があります。
接種スケジュール
- 接種開始年齢 2ヶ月齢以上7ヶ月齢未満
初回免疫:通常3回 4~8週間隔 追加免疫:初回免疫後おおむね1年 - 7ヶ月齢~12ヶ月齢未満
初回免疫:通常2回 4~8週間隔 追加免疫:初回免疫後おおむね1年 - 1歳~5歳未満
1回で終了。
効 果
Hibワクチン接種後、3回目接種4週間後で 99.2%で抗体(免疫)ができ、追加免疫4週間後 ほぼ100%の人に抗体(免疫)ができます。Hib感染症に対する高い予防効果が認められます。
安全性
およそ半数で、注射をした部位の発赤、腫脹などが見られますが、重篤なものは少ないようです。
Hibワクチンは日本では開始されたばかりです。現在は希望される方だけが、自費で受ける任意の予防接種です。Hibワクチンが一般に広く行われている諸外国では、
Hibによる化膿性髄膜炎はほぼなくなった状況になっています。わが国でもHibワクチンが広く接種され、Hibによる化膿性髄膜炎がなくなることを期待したいものです。