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No.220

改めてワクチン・予防接種について・・・予防接種を受けましょう

予防接種 | 2021年11月発信

世界には様々な感染症が存在します。医学の歴史においては、感染症との闘いが最大の課題である時代が長く続きましたが、その課題を克服して、現在では感染症で死亡する人は昔に比べるとかなり減少しました。もちろん、抗菌薬、抗ウイルス薬等の治療薬の開発はそこに大きく寄与してきましたが、未だに治療薬の無い感染症もたくさんあります。そもそも感染症に罹らないようにすることは大切ですが、種々のワクチンが開発され、普及することにより重篤な感染症に罹る人が大きく減少し、あるいは感染症に罹っても重症化を防ぐことが可能になったのです。さらに、そのような感染症の流行自体が抑えられるようになり、小さな赤ちゃんや、何らかの事情でワクチンを接種できない人達の健康や命を守ることにも大きく役立っています。

 

現代の医療においては、病気の予防が最重要テーマです。例えば、成人病に対しては、生活習慣の改善等の予防策が極めて大切ですが、根気強い努力が必要です。しかし感染症に対する予防は、その疾患に対して有効で安全性の高いワクチンさえあれば、それを接種するだけで多大な成果が得られるのです。
今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、感染症との闘いが未だに人類にとっての大きな課題であることを確認させ、そして予防接種の重要性を再認識させてくれました。しかし予防接種を受ける際には副反応が起こるのではないかと不安を感じる方もおられるでしょう。

 

どの予防接種でも副反応が絶対に起こらないと断言できるものはありません。そして、どういう副反応が起こり得るかは、当然ワクチンの種類によっても異なりますが、一般的に共通して起こり得るものとしては、局所の反応(接種部位の腫れ、痛み)や発熱が挙げられます。しかし、ほとんどは軽微なものですし、時に強い反応が出る場合もありますが、通常は適切な対応により回復します。また、予防接種の副反応と思われているケースの中には、実際には他の原因によるもの(紛れ込み反応)もかなりあると考えられています。

 

いずれにしても、現在広く行われている予防接種の安全性は非常に高く、重篤な副反応が起こることは、極めて稀であると言えます。現在進められている新型コロナウイルスに対するワクチンについても、これだけ世界中で接種されても同様な結果を示しており、逆に、それを否定するためにまことしやかに流されている様々な情報には、明確な科学的根拠が見当たりません。

 

VPD(Vaccine Preventable Disease : ワクチンで防げる病気)のために、今や多くのワクチンが公的な定期接種として実施されていますが、新たな感染症に対する新しいワクチンについても、科学的で正確な知見をもとに理解を深め、必要な予防接種をしっかり行うことで、自分自身や家族、さらに言えば人類の健康や命を守って行きましょう。