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No.200

単純性疱疹(単純ヘルペス)について

感染症 | 2016年05月発信

<原因>

単純ヘルペスウイルスによる感染症。口唇にできるものは口唇ヘルペス、陰部にできるものは陰部(性器)ヘルペスと呼ばれる。前者は主にⅠ型単純ヘルペスウイルスが、一方後者はⅡ型単純ヘルペスウイルスが原因となる事が多いとされている。日本人の成人の70%が保菌者といわれている。尚、水痘・帯状疱疹ウイルスを原因とする帯状疱疹ヘルペスとは医学上別疾患と定義される。

<誘因>

風邪、ストレス、心労・疲労、抗がん剤治療や紫外線への暴露など、体力の低下した際にウイルスが増殖し症状を繰り返す。

<典型的な症状>

口周囲(俗に熱の華と呼ばれる)、陰部粘膜に水ぶくれや紅斑が出現し、違和感やピリピリした痛みを感じる事が多く、稀に病変部近くのリンパ節の腫れ、軽度の発熱や頭痛を自覚する事もある。尚、帯状疱疹ヘルペスと違い、罹患後に神経痛やしびれなどの後遺症を残す事は極めて稀である(帯状疱疹ヘルペスの詳細は一口メモNo.84参照)

<特殊な症状>

•新生児や乳幼児など免疫が充分でない人にヘルペスウイルスが初感染した場合は、高熱を伴い脳炎などの重篤な症状を呈する事があるため、厳重な注意が必要である。
•口周囲や陰部以外の皮膚に発生する(異所性ヘルペス)ケースもある。
•免疫低下者に単純性疱疹が感染した場合、広範囲に疼痛を伴う水疱が出現し、発熱、頭痛、有痛性のリンパ節腫脹を呈する事がある。これをカポジ水痘様発疹と呼び、場合によっては入院加療が必要となる事がある。

<治療>

抗ウイルス剤内服、点滴、外用

<予防>

日頃より規則正しい生活とバランスのとれた食事、充分な睡眠をとり免疫が低下しないように心掛ける事が大切。症状が出ている人はマスクの着用など他人にうつさないように気を付ける事が大切である。