No.168
成人の便秘
内科・精神・老年 | 2012年08月発信
たかが便秘、されど便秘。快食・快便は気持ちがいいだけでなく健康の源。生活習慣
や食事を改善して、気持ちよく一日をスタートしたいものです。
<便秘をきたす疾患>
1)機能性便秘
基礎疾患を伴わずにおこる便秘。旅行やストレスなど環境の急な変化によりおこる場合
や、大腸の運動機能と緊張が低下して便の腸内通過時間が長引いておこる場合(体質、ダ
イエット、繊維性食品・水分の不足、腹圧の低下などが原因)、大腸の痙攣・蠕動の亢進
を伴い、便輸送の障害の結果おこる場合(過敏性腸症候群など)、直腸に便塊が到達して
も便意を誘発しないためにおこる場合(下剤や浣腸の乱用、痔や肛門の痛みなどにより排
便をがまんする習慣などが原因)などがあります。
2)器質性便秘
便が通過することができないほどに腸の内腔が狭くなったり(大腸癌など)変形してい
る原因がある場合におこる便秘。出血を伴うことがあります。
3)症候性便秘
全身疾患に伴う腸管運動の障害による便秘。全身疾患としては糖尿病、甲状腺疾患、脳
血管障害、パーキンソン病、自律神経疾患、膠原病などがあります。
4)薬剤性便秘
各種の薬による副作用でおこる便秘。精神科領域の薬剤、麻薬など
大腸癌や全身疾患に伴う便秘などは、やはり原因となっている病気の治療が優先されま
すが、それ以外では生活習慣や食習慣を改めることにより便秘を解消することも可能です。
まずは、規則正しい食事を心がけてください。特に朝食は必ずとりたいもの。水分を十分
にとることも快便につながります。また食物繊維は水分を吸収して便を柔らかくし、便の
量を増やしてくれますので、食物繊維の多い野菜や海藻類をたっぷりとりましょう。また
酸味のある食品、香辛料を使った食品も腸に刺激を与え、排便に効果的です。運動不足を
解消し、がまんせずに規則正しい排便リズムを作ることも大切です。朝は必ずトイレに行
きましょう。