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No.166

咽頭結膜熱について

感染症 | 2012年06月発信

 一般的には夏に流行がみられます。集団生活の中で一時に多数の感染がおこることもあり、プールで感染したと思われる場合、特に「プール熱」と呼ばれる事もあります。
 症状としては、4~5日続く高熱(39~40度)・のどの痛み・結膜炎(眼の充血・痛みがみられ、片方の眼から始まり両眼とも炎症を起こす)。この3つが三大徴候と言われます。
 原因はアデノウイルスの3型が主ですが、1・4・7・14型も知られています。ウイルスが口・鼻やのどの粘膜あるいは眼の結膜から体内に感染します。潜伏期間は5~10日間です。発症してから眼・呼吸器からは7~14日間、便からは30日間ほどウイルスが検出されます。アデノウイルス7型では重症肺炎等の重篤な合併症を起こすことがありますので、注意が必要です。同じアデノウイルスの40・41型では胃腸炎を起こすこともあり、下痢・嘔吐・嘔気・気分不快・微熱・腹痛などが見られます。又、11・21型では膀胱炎を起こすことがあります。このようにウイルスの型によっては症状が異なる事もあり、重症の合併症を起こす場合もあります。検査方法としてはアデノウイルス抗原の迅速診断キットがありますが、型の判別までは出来ません。
 予防のためには、手指を介してウイルスを運ぶ事もあるので普段から手を良く洗う習慣を付けましょう。目にウイルスを運ぶこともありますので、目をこすらないようにしましょう。また、プールの前後にはシャワーをよく浴びるようにしましょう。家庭では患者と道具や眼鏡・タオル・寝具等を共用せず、洗濯については患者のものと他の家族のものを一緒に洗わない。風呂は患者が一番最後に入るような注意も必要です。
 学校保健安全法では第二種の学校感染症に分類され出席停止の対象になっており、登校基準は「主要症状が消失した後2日を経過するまで出席停止とする。ただし、症状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。」とされています。
 アデノウイルスのワクチンですが2011年にアメリカでは4型・7型のものが認可されましたが、日本では認可されていません。