No.165
腰椎分離症
眼科・耳鼻科・皮膚科・整形外科・外科 | 2012年05月発信
はじめに
腰椎分離症(以下、分離症)は成長期にスポーツ活動などによって発症する疲労骨折であるといわれています。スポーツを愛好する児童が腰痛を訴えた場合、分離症の有無を診断し、分離症が存在した場合は保存的治療により骨融合するかしないかの判断が重要となります。
診断と治療
神経症状の有無などの理学所見を診察しレントゲン検査を行います。初期の分離症の場合X線のみで診断をつけることが難しくCT,MRIなどを行う場合もあります。初期の段階で分離症を診断できれば分離部が癒合する確率が高くなります。
治療は、年齢、病態などによりスポーツの継続が可能な場合と、スポーツ活動を休止し安静が必要な場合がありますが、若年者や初期の分離症の場合硬性コルセットを装着し安静をとり骨癒合が得られるように治療します。
次に、分離症患者のスポーツへの復帰ですが再発させないための最大の条件は柔軟性の獲得です。受傷時と同じ状態でスポーツに復帰すれば再発の可能性が高くなります。
おわりに
腰椎分離症に罹患した児童のほとんどがスポーツの愛好者です。児童が腰痛を訴えた場合安易に放置せず確定診断を行い、適切な治療を行うことが大切です。また、指導者の方々もストレッチの重要性と、病態によってスポーツを休止し局所の安静をとることが必要であることを児童に指導していただきたいと思います。