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No.150

小児肺炎球菌ワクチン

予防接種 | 2010年11月発信

小児に対する肺炎球菌について

肺炎球菌は喉などから体に入ります。子どもは、大人とは病状が少し異なるので、小児の肺炎球菌感染症として、別に分けて考えるのが実用的です。大人だと肺炎になることが多いのですが、子ども、特に2歳以下では、脳を包む膜にこの菌がつく細菌性髄膜炎が多くみられます。この菌による髄膜炎は、年間200人くらい発生しています。肺炎が12,000人、この他、重い中耳炎や肺炎、菌血症や敗血症も起こします。ヒブ(ヘモフィルスインフルエンザb)による髄膜炎に比べて、死亡と後遺症の比率が少し高くなります。亡くなる方が10%前後、後遺症率は30-40%くらいです。

小児用肺炎球菌ワクチン

小児用肺炎球菌ワクチン(不活化ワクチン)が2010年2月から発売になりました。
生後2か月以上で9歳以下、特に5歳未満のお子さんは接種されることを推奨します。ワクチンの接種回数は年齢により異なります。

  • 生後2か月から6か月まで:1回目から4週(中27日)以上の間隔で2回目
    2回目から4週(中27日)以上の間隔で3回目
    生後12-15か月に4回目    の合計4回です。
  • 7か月から1歳未満:1回目から4週(中27日)以上の間隔で2回目
    2回目から60日以上の間隔で3回目  の合計3回
  • 1歳:1回目から60日以上の間隔で2回目  の合計2回、
  • 2歳から9歳までは1回のみ

ワクチンの安全性と効果

小児肺炎球菌ワクチンは世界の約100カ国で承認され、すでに41カ国で定期接種に導入されているワクチンです。ヒブワクチンと同時接種をすることで、細菌性髄膜炎予防に非常に有効です。安全性は高く、効果が高いワクチンですので、一日も早い承認、定期接種化が望まれます。
このワクチンもWHO(世界保健機関)が最重要ワクチンの一つとして、低開発国を含めてすべての国で、国の定期接種にすべきだと勧告しているものです。病気が重いだけでなく、早期診断が難しいので、受けられる年齢になったらすぐに接種される事を推奨します。