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No.142

最近のワクチン事情

予防接種 | 2010年03月発信

日本の予防接種は予防接種法に基いた定期接種、それ以外でおこなわれる任意接種に分かてれます。
いずれにしても感染症の予防を基本にしていますが、最近は色々なワクチンの開発が行われ実際に接種されています。
定期接種については勧奨されて広く行われていますが、その他に最近、日本で接種可能となったものやこれから承認され接種されると思われるワクチンについて又、これからのワクチンについての課題も述べます。

RSウイルスワクチン

RSウイルスは乳幼児の肺炎や細気管支炎を引き起こす主要な原因ウイルスです。早産児や気管支肺異形
成症の治療を受けたり、先天性心疾患などのある新生児・乳幼児および幼児に接種します。(シナジスR)

Hibワクチン

細菌性髄膜炎・肺炎・喉頭蓋炎などの主な原因となる、インフルエンザ菌b型のワクチンで2008年12月から接種が始まりました。(アクトヒブR)

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌によっておこる細菌性髄膜炎・中耳炎・肺炎・敗血症などを予防するワクチンです。日本では1983年にニューモバックスRとして、免疫が十分な2歳以上の人に認可されました。2歳以下の小児に対しては、病気の原因となる頻度の高い7種類の血清型をカバーして、乳幼児に対しても有効なワクチンが今年、2010年2月から市販されます。(プレベナーR)

HPVワクチン

ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がん・外陰や膣がん・口腔関連のがん・尖圭コンジロームなどの原因となります。2種類のウイルスに有効なワクチンが2009年12月より国内で発売され、10歳以上 の女性に予防の目的で3回接種をします。(サーバリックスR)

 

この他に黄熱・狂犬病・ロタウイルス・インフルエンザ・水痘・おたふくかぜ・A型肝炎・B型肝炎などのワクチンもありますが、定期接種以外の多くのワクチンは自費での接種となります。接種費用、回数、年齢などはそれぞれのワクチンによって違っていますので必要と判断される場合や、海外派遣・旅行時にも考慮しなければいけないワクチンもありますのでかかりつけの医師と相談される事をお勧めします。
今後の課題として、世界から見ますと日本は「予防接種後進国」と言われています。これには予防接種の種類・回数・時期などが世界の標準からかなり遅れていて、感染症予防もまだまだ十分ではありません。これからは出来るだけ定期接種に組み込んで接種を受ける人の金銭的な負担をなくし、せめてWHOが勧告している世界的なレベルに追いつけるような接種の見直しが必要です。これには接種回数の増加が伴うために、複数のワクチンを同じ日に行う「同時接種」についても考慮しなければなりません。

(なおこれまでの健康一口メモ No.31・36・69・102・129・133にも、ワクチンに関するものがありますので参考にしてください。)