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No.204 「B型肝炎ワクチンの定期接種化について」

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2016年10月発信

健康一口メモのNo.173でも紹介されているB型肝炎ワクチンが、平成28年10月から定期接種化されました。ただし対象となる児は、平成28年4月以降に出生した0歳児に限定されています。対象児であっても3回目の接種時に1歳を超えてしまった場合は定期接種の対象外(有料)となりますので注意しましょう。
ここで問題になるのが、上の子どもにはB型肝炎ワクチンを接種していないのだけど、どうすればよいのだろうという疑問が当然生じると思います。

子どもが乳幼児の場合

一般的に乳幼児期の子どもがB型肝炎に感染すると、免疫が未発達なため、キャリア(ウイルスの感染が体内で持続している状態)になりやすく、そのうち10~15%が将来的に慢性肝炎を発症し、肝硬変や肝細胞癌に進行するリスクが高くなります。通常の日常生活をしている限り、B型肝炎ウイルスに感染するリスクはそう高いものではありませんが、過去にもキャリアの祖父から孫に感染した例や、保育園で集団感染が発生した例もありますので、親族にB型肝炎のキャリアがいたり、早い時期から集団生活を開始する予定のある子どもは、とりわけワクチンを接種する必要性が高いと言えるでしょう。

子どもが学童以上の場合

学童になると感染によるキャリア化のリスクは低くなりますが、ウイルスに感染して急性肝炎を発症することがあり、そのうち1%ほどが劇症肝炎を発症し、命にかかわることもあります。また不顕性感染といってウイルスに感染しても症状が出ずに、その後一部がキャリア化することが最近明らかになりました。成人してからウイルスを保有しているパートナーとの性行為によって感染することもあります。つまり学童以上であってもワクチンを接種する意義は十分にあると言えます。

B型肝炎ワクチンの最終的な目的とは

ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンなど子どもにとって重要なワクチンは、基本的に乳幼児期さえ乗り切ってしまえば、将来的に問題になることはありません。一方B型肝炎はウイルスに感染しても症状が出ない場合も多く、一旦感染してしまうと将来確実に慢性肝炎や肝細胞癌を発症するリスクが高くなります。つまりB型肝炎ワクチンは、
将来B型肝炎ウイルスによって発症する可能性のある肝細胞癌を予防するための
がん予防ワクチンなのです。
(C型肝炎ウイルスなど他の原因による肝臓癌は予防できないのでご注意下さい。)