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No.194 「かぜの漢方療法」

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2015年06月発信

「かぜ」は、大きな持病がない人では、安静と充分な睡眠と栄養を取ればほぼ治ります。でも、発熱、痛み等の症状は出来るだけ早くよくなって欲しいものです。
「かぜ」については、西洋医学的にもかぜのウイルスに直接効く薬はありません。発熱、鼻水等の症状をやわらげる(対症療法)薬を用います。伝統医学である漢方ではかぜについて 以下のように考えています。
現代医学的で「かぜ症候群」と呼ばれる病態は、ウイルスによる感染症であると広く知られていますが、日本の伝統医学である漢方では六淫の邪(漢方で考えられている外来性の発病因子の一つで、ウイルス・細菌などの病因微生物もこれに含まれる)の一つである風邪(ふうじゃ)を生体が感受したことによっておこるというふうに考えられています。かぜをひいたときによく飲まれる葛根湯は今から2000年も前に書かれた「傷寒論」という書物に記載されている処方のひとつで、悪寒・発熱・頭痛・無汗(汗をかいていない状態)および項背部のこわばりを目標に投与されます。寒気がして首や肩のこわばりがあり、かぜかな?と思った時にはすぐに葛根湯をお湯に溶かして飲むとよいでしょう。飲んだ後、体が温まりうっすら汗をかくぐらいがちょうどよい加減です。風邪を汗とともに体の外に追い出すイメージですね。ただし、大事なのは無汗であることです。
 日本でインフルエンザに良く用いられ麻黄湯も同じく無汗であることが必須なので、汗をかいている人は飲まないようにしましょう。また、麻黄湯は胃腸障害を起こすことがあるので元々胃腸の弱い人は避けたほうが賢明です。汗をかいている人や胃腸の弱い人には桂枝湯が良いでしょう。また、参蘇飲は胃腸にやさしくお腹の風邪にも使用されます。このように漢方薬は体質や症状に合わせて選ばれますので、以下を参考に自分に合った漢方薬をあらかじめ探しておいて手元に置いておくと便利ですね。
 

比較的虚弱で胃腸の弱い人

 (かぜの初期)
 桂枝湯     悪寒・発汗・頭痛・のぼせ
 香蘇散     胃腸虚弱・食欲不振・発熱
 麻黄附子細辛湯 くしゃみ・鼻水・鼻閉・悪寒
 (かぜの中期以降)
 参蘇飲     軽い発熱・咽頭痛・咳・痰・胃腸障害
 桂枝人参湯   悪寒・発熱・頭痛・下痢
 小柴胡湯    吐気・食欲不振・リンパ節の腫脹  
 柴胡桂枝湯   悪寒・発熱・頭痛・吐気
 

比較的体力のある人

 (かぜの初期)
 麻黄湯     悪寒・発熱・頭痛・関節痛・咳・無汗
 葛根湯     悪寒・発熱・頭痛・首や肩のこわばり・無汗
 小青竜湯    悪寒・発熱・頭痛・くしゃみ・鼻水・咳
 

咳が長引くとき

 麦門冬湯    激しい咳き込み・痰が切れにくい・喉の乾燥
 神秘湯     喘鳴・呼吸困難(息苦しさを感じる)
 滋陰至宝湯   食欲不振・倦怠感・口渇・盗汗