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No.192 「ピロリ菌の除菌」

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2015年03月発信

ピロリ菌とは、正式名を『ヘリコバクター・ピロリ』といい、胃の粘膜に生息しているラセン形をしたバイ菌のことです。親子間などで幼少期に感染すると、生涯続くとされます。
 
昔は、胃の中には強い酸性の胃酸があるため、細菌は通常住めないと考えられていました。
ところが、1982年、オーストラリアのWarrenとMarshallという2人の学者が、ピロリ菌が胃の中で生息していることを確認したのです。ピロリ菌はアンモニアを出すことによって、胃酸から身を守り、胃の中に住むことができるのです。この業績で、この2人は、後にノーベル医学生理学賞を受賞することになりました。
 
ではピロリ菌は、人間の体にどういう影響を与えるのでしょうか。
実はこのピロリ菌の作り出すいろいろな毒素が、胃・十二指腸の粘膜を傷つけ、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍をひきおこすのです。
そして、除菌療法、つまりピロリ菌を退治することによって、大部分の胃・十二指腸潰瘍が治癒し、再発しないことが臨床試験において確認され、わが国では、胃・十二指腸潰瘍に対する除菌療法が2000年に保険適用になりました。その後、2013年、胃・十二指腸潰瘍がなくても、ピロリ菌が原因である慢性胃炎に対しても除菌療法が保険適用になりました。
 
除菌療法といっても、そう大そうなことをするわけではありません。2種類の抗生剤および1種類の胃薬(合わせると数は多くなりますが)を1週間内服するだけで完了です。もし、1回目で除菌が成功しなくても、抗生剤等を変更した2次除菌療法までで、殆どの方が除菌に成功します。
 
このようなピロリ菌が引き起こす慢性胃炎は、長期間続くと、胃の粘膜が薄く痩せて、萎縮が進み、これが胃癌発生と深く関係することが明らかになっています。
 
そして、保険適用外ですが、胃の消化酵素の前駆物質であるペプシノーゲンの血液中の濃度を測定すると、胃粘膜の萎縮の程度がわかるため、血液中のピロリ菌抗体とペプシノーゲン濃度とを組み合わせて、胃癌のスクリーニング検査とする取組が全国的に拡がってきました。
 
また、ピロリ菌は胃・十二指腸の疾患以外にも、心臓・血管疾患、血液疾患、皮膚疾患など、数多くの疾患との関連性も指摘されています。こういったことは、テレビ、インターネット、雑誌でも取り上げられることがあるので、ピロリ菌の除菌に関心をお持ちの方は多いかと思います。
世代間の感染を防ぐ意味でも、全ての人が一度はチェックを受けることが望ましいものです。
除菌治療によって、下痢、味覚異常、発疹などの副作用が出現することもあります。また、除菌後一時的に胸焼けといった症状が起こることもありますが、やはり除菌は重要です。
 
加古川市・稲美町・播磨町でも27年度から、このピロリ菌とペプシノーゲンの組み合わせによる「リスク検査」を加古川駅北に移転した「加古川総合保健センター」等で実施することとなりましたので、必ず案内を確認して検査を受け、自分のリスクに合わせた対応を進めましょう。