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No.189 「IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)」

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2014年11月発信

IgA血管炎は、触れることのできる紫斑(皮内出血によって生じる紫から鮮紅色を呈する斑点)を認め、同時に関節炎、腹痛、腎炎を認めることがある疾患です。10歳以下の小児に発症することが多く、4歳ころに発症のピークがあります。これまでは、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(あるいはアレルギー性紫斑病、アナフィラトイド紫斑病、血管性紫斑病)と呼ばれていましたが、2012年の血管炎の国際会議でIgA血管炎に病名が変更されました。 ヒトの体が病気にならないように免疫のシステムが働いた時に、形成された物質が、毛細血管などの小さな血管の壁に付着することのより病気が発症すると考えられています。
 およそ2/3でIgA血管炎の前に上気道感染を起こしています。

【主要な4つの症状】

1.皮膚症状

100%の患者さんに見られますが、最初の症状であることはおよそ70%ほどです
触れることができる(すこし盛り上った)紫斑が下肢、臀部に下から上へほぼ左右対称に認めます。

2.関節症状

およそ60~70%で認めます。足関節、膝関節などの下肢の大きな関節に疼痛、腫脹を認めることが多いです。変形を残すことはありません。

3.消化管症状

およそ60~70%で認めます。嘔吐、下痢、腹痛、血便などを認めます。まれに腸重積になる場合もあります。IgA血管炎に伴う腹痛は、激しく泣き叫ぶような極めて強い痛みのことがあります。腹痛出現時に下肢に紫斑を認めれば、診断は比較的容易ですが、紫斑出現前に腹痛が先行して出現することがあり、このような場合では、外科的疾患の可能性も考慮し、検査、経過観察が必要です。

4.腎症状

これまでの報告によりまちまちですがおよそ20~60%で認めます。尿検査で尿蛋白や尿潜血を指摘されることが多いです。時に重篤な腎炎(急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群)に進行する場合があります。
皮膚、関節、消化管の症状の有無は簡単に分りますが、腎症状の有無は通常は、検査をしなければ分りません。IgA血管炎では、継続的な尿検査が必要です。
    

【治療・経過】

多くの症例では、自然に軽快しますので、定期的な受診と尿検査を行い、対処療法を行います。
ステロイドの治療は、腹痛の持続時間を短くする、腸重積のリスクを減らす、腎病変の発症のリスクを減らすとの報告があり、強い腹部症状、腎症状を認めた場合、ステロイド剤を使用する場合が多いです。
 腎症状は、重症化すれば慢性腎臓病、腎不全に至ることもあり、長期に影響を与えることとなります。
小児腎臓病のエキスパートによる管理が必要となります。