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No.175 「妊娠には適齢期があります」

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2013年04月発信

結婚適齢期はもう死語になりつつありますが、妊娠には適齢期があります。若い女性たちはいつでも妊娠できるという錯覚に陥ってはいないでしょうか。
ヒトの寿命はどんどん延びて、女性では85歳を超えてきています。ところが妊娠可能な年齢はほとんど延びていません。医学・医療がどんなに発達しても、どうやら生殖年齢は40歳までのようです。これを超えると妊娠の確率は低下し、また妊娠そのものもハイリスクになります。妊娠適齢期は20~35歳までと考えられます。ところが現実には女性の社会的進出に伴って婚姻率の低下、晩婚化、妊娠の高齢化が進んでいます。その結果どのようなことが起こっているのでしょうか。

女性の高齢化に伴う妊娠をめぐる諸問題

①不妊・不育が増えてきます。20~24歳の不妊症の頻度はある調査では7.0%程度とされますが、30歳になると徐々に増加し40~44歳では28.7%と4倍となっています。
②流産・先天異常児の増加、周産期死亡・異常の増加など児の異常が増えます。流産は35歳未満の妊婦と35~39歳、40歳以上を比べると、それぞれ2.0倍、2.4倍と増加し、また染色体異常児は4.0倍、9.9倍と著明に増加します。
③早産や妊娠高血圧症・妊娠糖尿病・帝王切開などの異常妊娠・妊娠合併症が増加します。妊産婦死亡も30歳未満に比して35~39歳では約4倍、40歳以上では約20倍と高率になっています。妊娠高血圧症に伴う脳出血や肺塞栓症、羊水塞栓症の増加が妊産婦死亡につながっているのです。

高齢に伴うハイリスク妊娠の原因

これらの異常の原因には加齢に伴う「卵の老化」と、「母体の生活習慣病予備軍化」「加齢に伴う合併症の増加」の問題があります。高齢になると卵は染色体の異常が起こりやすくなり、不妊、流産や児の先天異常を引き起こします。また女性自身の加齢に伴い、糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病の予備軍が増え、妊娠という負荷が加わることにより異常が顕在化し妊娠がハイリスクになります。また30歳代後半から子宮筋腫や卵巣腫瘍などの合併頻度が増加し、難産ひいては帝王切開の増加につながります。

今後の課題

このように結婚はさておき、元気に赤ちゃんを迎えるには適齢期があります。この時期から外れると妊娠のリスクは上昇するばかりか妊娠することも難しくなるかもしれません。女性がこの事をふまえた人生設計の重要性を認識できるよう思春期から親や医療関係者・教育者の情報提供が大切です。そして女性の社会的キャリアの確立と、子育ての両立をサポートできるシステムが重要です。