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No.39SIDS (乳幼児突然死症候群)

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1999年12月発信

乳幼児突然死症候群(SIDS)は厚生省の研究班によると「それまでの健康状態および既往歴からその死が予想できず、しかも死亡状況および剖検(死後の解剖)によってもその原因が不詳である乳幼児に突然の死をもたらした症候群」とされています。SIDSは本邦において乳幼児死亡原因の第三位と医学的に重要な疾患であるばかりでなく、主として、生活の場である家庭にいる時に起こるため、家族に大きな精神的なショックを与え、その後の家族の精神的なケアーを必要となる疾患です。また、保育所などで起こった場合には、事故との鑑別から訴訟に発展するなど社会的問題を引き起こすこともあります。
SIDSの発生頻度はそのリスク因子としての育児環境を整えることにより、大幅に減少する事が世界各国の予防キャンペーンにより、わかっています。本邦では、1997年4月より
「SIDS家族の会」がSIDS予防キャンペーンを行い、その効果がみられています。

1. 疫学

SIDSは冬に多く、夏に少なく、一日のうちでは朝に発見される率が高くなっていますが、昼寝の時間にも多く起こっています。月齢では4ヶ月にピークがあり、6ヶ月までにその8割が発生、1歳以降の発生は10%以下となっています。女児より男児に、成熟児より未熟児により多く発生しています。
発生頻度は神奈川県(剖検率80%以上)において、0.50(1993)、0.63(1995)、0.52(1995)
で、ほぼ、出生数1000に対し0.5と推測されています。全国統計では死亡数524名(1994)、538名(0.41/出生1000、1997)であったものが、1998年には398名(0.33/出生1000)と大幅に減少し、予防キャンペーンの効果があったと評価されています。ちなみに日本の乳児死亡数は現在出1000に対し4人で、そのうち2人は新生児死亡数です。したがって、新生児期を過ぎた乳児の死亡はSIDSの発生頻度を0.5とした場合、4人に1人がSIDSによることになります。

2. 病因、病態

SIDSは定義上その原因が不明とされていますが、現在考えられているSIDSの病態は睡眠時の無呼吸からの回復が遅れる覚醒反応の異常です。この睡眠時の無呼吸は正常の子どもにもみられますが、SIDSの場合、呼吸中枢の成熟度や出生後の適応変化の後れなどの理由により覚醒反応が低下し、無呼吸から低酸素への悪循環が起こると考えられています。

3. SIDSと育児環境 

これまでの疫学調査からいくつかの育児環境がSIDSの発生頻度を高めることが知られています。うつ伏せ寝は仰向け寝に比べ、3倍高く、人工栄養児は母乳栄養児に比べ、4.8倍多く見られます。また、両親の喫煙習慣がある場合、非喫煙者の4.7倍の発生率があげられています。添い寝は覚醒反応の遅れをカバーするところから、SIDSの発生を減らすと考えられています。

SIDSの予防

SIDS家族の会は

  1. 仰向け寝で育てよう
  2. たばこをやめよう
  3. できるだけ母乳で育てよう
  4. なるべく赤ちゃんをひとりにしないで

の4つのリスク因子をあげ、SIDSの予防キャンペーンを行っています。育児環境がSIDSの発生頻度に影響するという事を子育てをする母親、父親および社会などに知ってもらう事が大切です。そして、このキャンペーンによって少しでもSIDSの発生が少しでも減少することが期待されています。