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No.37高血圧

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1999年10月発信

高血圧は全身の血管を障害し、老化を進めます。また、自覚がないまま、長年月の間に慢性心不全、腎不全等の疾患を引き起こしたり、突然の脳卒中や心筋梗塞の原因になることがあります。この様に怖い高血圧も生活習慣を改善したり、降圧剤等による治療によってこれらの病気の発症を減らすことがわかってきました。しかも、合併症予防効果は、血圧が従来より低い程より良いということが明らかになりました。そこで、WHOなどで提唱された血圧を評価する新しい分類レベルを下記に示します。

新しい血圧レベル(mmHg)の診断と分類

分類 収縮期血圧 拡張期血圧
至適血圧 <120 <80
正常血圧 <130 <85
正常高値血圧 130~139 85~ 89
グレ-ドⅠ高血圧(軽症) 140~159 90~ 89
サブグル-プ:境界域 140~149 90~ 99
グレ-ドⅡ高血圧(中等症) 160~179 160~179
グレ-ドⅢ高血圧(重症) ≧180 ≧110
収縮期高血圧 ≧140 <90
サブグル-プ:境界域 140~149 <90

収縮期血圧と拡張期血圧が別々の分類に入る場合には、より高い分類の方を採用します。血圧は自然変動が大きいので、高血圧の診断は、数回の異なる機会に血圧を測定して行なわれます。
高血圧症はまず二次性高血圧症(腎臓や副腎等に高血圧の原因がある)を除外して、本態性高血圧症と診断されると次に危険因子と合併症の有無を調べます。
本態性高血圧症では、生活習慣の改善に努め、降圧が不充分な場合、生活習慣の改善を継続しながら高血圧のレベルに応じ様々な降圧薬を選択します。

生活習慣の改善

  1. 禁煙:ヘビ-スモ-カ-では持続的に血圧が上昇する。心血管系全体に害。
  2. 肥満高血圧症ではインスリン感受性低下が高血圧の原因になっている事がある。
  3. アルコ-ル摂取の適量化:日本酒に換算して一日一合程度。
  4. 食塩摂取の減量:食塩摂取量は一日6g以内。
  5. 運動増進:適度(運動中に会話が出来る程度)の持続的運動(歩行、ランニング、水泳等)

上記の生活習慣は、高血圧症では改善するのが当然ですが、高血圧の予防にもなります。しかも、より早い時期(子供の時)から習慣をつけることが重要です。今回は更に、子供と「動脈硬化」についても、以下にふれておきます。

子供と動脈硬化症

動脈硬化は一体、何歳頃から始まるのでしょうか?これを解明するために、さまざまな病気で亡くなった小児の解剖例を見てみますと、日本人で10歳、即ち小学4,5年生の小児で90%から100%に動脈硬化の初期病変が認められたということです。
すなわち、動脈硬化は、小児期に既に発症するのです。このため、虚血性心疾患や脳血管障害の予防は成人期からでは遅く、小児期から取り組まなければなりません。
動脈硬化がなぜ起こるのか? この原因についてはまだ不明な点が多く、現在わかっていることは、どのような人が動脈硬化を起こしやすいかということです。血液中のコレステロールなどの脂質が高い人(高脂血症)、肥満、高血圧、糖尿病のある人、家族歴のある人、喫煙する人が動脈硬化を起こしやすいのです。この高脂血症、肥満、高血圧、糖尿病、家族歴、喫煙などを動脈硬化症の危険因子と呼んでいます。このため、これらの危険因子から子どもを守ることが、将来子どもたちを第2、3位の死亡原因である心筋梗塞や脳血管障害から守ることになるのです。
小・中学生で、肥満度20%以上の頻度は約6~8%、収縮期血圧が140mmHg以上の頻度は1~2%、糖尿病の頻度が0.01%以下であるのに対し、血清コレステロール値が200ng/d1以上を呈する小学生、中学生の頻度は、滋賀県の調査ではそれぞれ約17%、10%でした。このような結果から、動脈硬化を予防するには、高脂血症と肥満に対する予防対策が重要となります。