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No.72腸閉塞とは?

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2003年02月発信

腸閉塞とは、腸管の内容物が通過障害を起こした状態を言います。いろいろな場合に起こりますが、腸管が重なって起こる腸重積、結腸がねじれておこる腸捻転、腹腔内の凹んだところや(袋)状の部分に腸管がかん頓しておこる腸閉塞(鼠径ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア等に腸管がかん頓する)、手術後や外傷後に腸管が癒着したり、索状物によって腸が絞扼されたり,或いは腫瘍や血腫等によって外から圧迫されて閉塞したり、糞塊,胆石、腸石、食べ物(昆布等)によって腸内腔が詰まったものもあります。腸間膜血管の梗塞によって生ずるものや、先天性腸管閉鎖症等もありますが、麻痺性腸閉塞としては、腹腔内出血、手術後、劇症膵炎等の腹膜炎によって生ずるものがあります。このうち乳幼児(生後4ヶ月から1歳前後に好発)に生ずる腸重積は、小腸(回腸)が大腸(盲腸)に重積したもので、腹痛、腹満、嘔吐、血便の症状があります。右上腹部に一塊となった腫瘤を触れ右下腹部は空虚となり、直腸指診で粘血便が認められます。

一般的な腸閉塞の症状は、腹部膨満、嘔吐、痛んだりんだりする腹痛等があり、次第に増強し排便排ガスは停止します。腹鳴は麻痺性腸閉塞では聴取できませんが、一般には亢進し、「カラン・カラン」等の金属音が特有です。腹部のレントゲン写真で、腸管内のガスと液体で「ニボ-」といわれる特徴ある所見を呈し診断されます。逆に血管の梗塞で腸管壊死となった腸閉塞では、ガス像が認められないのが特色です。成人では1日5~6l(㍑)の消化液が分泌されるといわれ、この循環が障害されますので脱水や電解質異常をきたします。腸管壊死の場合には、腸管より吸収されるエンドトキシンによって敗血症となり重篤な状態となります。幼児の腸重積の場合は、診断と治療をかねてバリウムによる注腸造影が行われます。約1mの高さより注腸し、水圧により重積した小腸が押し戻されて整復されるのがレントゲンテレビで確認できます。超音波を用いて生理食塩水によるエコー下整復も最近では、実施されています。S状結腸捻転の場合は、渦巻き状に捻転閉鎖した大腸が、挿入されたファイバ-スコ-プにて次第に解除されていき、ついに解放されて大量のガスや水様便を排出し治癒します。急性症状の強いもの(こう扼性、血管閉塞性等)は、即手術を必要としますが、その他の場合は保存的に治療します。中心静脈栄養等の輸液をしながら、鼻腔よりイレウスチューブを挿入し、排液・排ガスで腸内圧を減じて、肛門側から浣腸など排便・排ガスを促す処置をします。電解質、水分、栄養等の管理が重要で、過不足なく行う必要があります。最近では、単純性腸閉塞の約70%は保存的療法で軽快しているようですが、症状を繰り返すもの、状態の長引くもの、緊急な症状を呈するもの、腫瘍によるものなどは、適切に手術することが必要となります。