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No.115耳鳴りについて

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2007年05月発信

耳鳴りは古代ギリシャのヒポクラテスの時代から今日に至るまで多くの臨床医を悩ませてきた症状です。さまざまな難聴に伴ってみられるところから,聴器の病変と密接な関係があると考えられていますが、いまだに耳鳴りの発生メカニズムは明らかにされていません。いままでも多くの研究者が独自の治療法を考案し、報告しておりますが根本的な治療法が開発されずに今日に至っているのも、耳鳴りが聴覚機構のどこで、どのようにして発生しているかについての明確な解答が出されていないことに起因しています。
耳鳴りに対して抑制効果があったという経験的な臨床結果を強調した報告が多く、一般の臨床医を納得させるような治療法がいまだに確立されていないのが現状です。
耳鳴りは難聴に伴って自覚されることが多いので、聴力検査では大多数の人にどこかの周波数で聴力の低下を認めます。この低下を元に戻せれば耳鳴りも消えると思いますが、なかなか上手く行きません。耳鳴りは生命に関わるようなことはほとんどありませんが、まれに(十万人に一人の発生)耳鳴りを初発症状とする患者さんが多い聴神経腫瘍という厄介な疾患もあります。 
治療法は薬物療法が主流で、ビタミンB剤、内耳.脳循環改善剤、安定剤、漢方薬などを組み合わせて処方されています。
突発性難聴.低音部感音性難聴といった急性感音性難聴の耳鳴りに対してはステロイド剤を、メニエール病などめまいを伴った耳鳴りに対しては、イソバイド(イソソルビド内服液剤)を併用します。
その他の一般的な治療としては、マスカー療法があります。耳鳴りが外界の音によって遮断される現象は、古くから知られております。これを利用して一定時間音響付加を加えて、耳鳴りを軽減させる療法です。
また最近はTRT療法といって脳で耳鳴りに対する順応をもたらし、気にならなくさせることにより、永続的に耳鳴りを軽減させる、すなわち耳鳴りを家庭のエアコンの音のような、気にならない音として認識させる治療法が出来てきました。
基本的には音響療法とカウンセリングの組み合わせですが施設が限られます。「慢性的な耳鳴りは治れば儲け物、鬱陶しいけれど、今まで出来たことができなくなるわけではない。耳鳴りも人生の一部、仲間と思えばいいさ。」というように考えようとするのが今の主流です。