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No.96粉瘤(ふんりゅう)-外来小手術-について

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2005年06月発信

外科診療所の外来手術で最も頻度の高いものに粉瘤があります。粉瘤はアテローム、粥腫(じゅくしゅ)、上皮嚢腫等の色々な呼び名があり、外側の袋すなわち嚢腫とその内容とで構成されています。嚢腫内容が主として数年間に亘る表皮脱落組織(簡単に言えば“アカ”)であり、オカラ状で乾燥すると粉末になるため“粉の瘤”すなわち粉瘤と呼ばれています。小さい物は数mmから大きい物では10数cmに及ぶものまであります。ちなみに、おとぎばなしの“こぶとりじいさん”の瘤は大きなこの粉瘤ではないかと言われています。

病因

体表にある汗腺開口部が何らかの原因で詰まり、角栓ないし黒ニキビ状態となり排泄口がなくなり毛根部や汗腺自体が袋状に拡張し自身の上皮脱落物や分泌物を貯留し球状になり皮下脂肪組織内に成長して行きます。原因となった汗腺開口部は皮膚と癒着した、黒い点状の陥凹部分として認められます。汗腺のある所であれば体表のすべて部位に発生し、背部、項部、臀部に多いのですが、手掌、足底などにも稀に見られます。

臨床症状と経過

「脂肪のかたまりがあります」、「できものが出来た」とか訴えて來院すると殆どの場合はこの紛瘤です。炎症がない場合はしこりの頂上に黒い点が見られ、痛みもありませんが時に圧迫すると非常にくさい白色の内容が出てきます。開口部から感染が起こると、真っ赤に腫れ上がりてっぺんに膿が見られ、一見して“できもの”と思わ
れる場合もあります。嚢腫自体は時間の経過と共に脱落物が蓄積し拡大して行きます。成長の速度は個人差非常に大きい様です。一般的には、放置したためにこの粉瘤自体で生命に危険が及ぶ事は殆どありませんが、極稀にこの粉瘤より皮膚癌が発生する事もありますので、急激に大きくなる腫瘤を認めた場合は早めの外科受診が必要です。

治療

根治のためには、嚢腫と開口部の皮膚を一塊に切除する必要があります。感染のない場合は簡単に切除できますが、感染のある場合は切開排膿の後、炎症が軽快した後で再切除が必要となります。従って、炎症のない早期に切除を考えと方が賢明と思われ、腫瘤の大きさが1cm以上となって来た時は手術適応と思われます。体表の腫瘤を認めた場合は一度外科を受診してください。