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No.56眼球打撲

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2001年06月発信

眼球が急激な外力を受けると、眼内のそれぞれの組織において細胞の破壊や血管の損傷を生じます。

眼瞼および結膜

斑状出血、血腫、浮腫、裂傷など。多くは1~2週で消退しますが縫合処置を要するものもあります。受傷直後はすぐ冷やして腫れを引かすようにします。

角膜(くろめ)

表層の点状角膜症、びらんなど。角膜は体表面でもっとも知覚が過敏な組織なので非常に痛みを伴い、涙が多く出て目が開けられなくなることもあります。症状は強いものの、適切な治療をすることで一日でほぼ症状は軽快することが多い疾患です。

前房

前房出血。前房(角膜と虹彩の間)を循環している房水中に出血が溜まっている状態で、視力が低下します。ひどい場合は眼圧が上昇し、吐き気をもよおすこともあります。大抵、数日で吸収しますが、受傷後1週間くらいまでは再出血の危険性があり、この間は運動などを控えるようにしなければなりません。再出血が起これば吸収が遅く、遷延して角膜染色(くろめの裏面が赤く染まる)を起こすようになると手術治療(前房洗浄)をしなければなりません。

虹彩・毛様体

外傷性散瞳

瞳孔括約筋(瞳孔を小さくするときに働く筋肉)の障害によって瞳孔が大きくなった状態です。2~3ヶ月で元に戻ることが多いですが、瞳孔径に少し左右差が残ることもあり、受傷眼のまぶしさが残ります。

虹彩・毛様体炎

炎症細胞が前房中に出現し、房水が濁ってかすみ目を来します。炎症を抑える点眼薬を数日~数週続けます。

虹彩根部離断、隅角後退

茶目の根元に亀裂が入った状態です。後に続発緑内障(眼圧が上がって視野が障害される。)や低眼圧黄斑症(不正乱視が出て見えにくくなる。)の原因になることがあります。

眼底

網膜震盪症

介達外力が加わった結果、網膜に起こった浮腫(腫れ)です。1週間位で回復します。

以上が眼球打撲によって多く生じる疾患ですが、この他、打撲の程度が強い場合にまれに起こる疾患として、硝子体出血(眼球内に血が溜まる。)、強角膜破裂(眼球破裂)、鋸状縁(網膜の端)断裂による網膜剥離外傷性黄斑円孔(網膜の中央に穴があく)、眼窩底骨折(ボクサーに多い。眼球が陥凹して物が二重に見える。)などがあります。
眼球は最も大切な感覚器官ですが、決して丈夫な組織ではなく柔らかく繊細な組織から構成されています。他の部位の打撲と同じように考えないで、必ず専門医の診察を受けるようにしましょう。