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No.4溶連菌感染症

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1996年09月発信

今月は、細菌によって発疹を生じる溶連菌感染症について話しましょう。この疾患は、ウィルスではなく、A群β溶血性連鎖球菌が原因で起こります。潜伏期は、2~5日で、年齢的なピークは、4~6歳ですが、年長児にもみられます。流行の季節は一定しませんが、10月~3月と初夏に多いとされています。飛沫(咳やクシャミ)による感染、又は、患児によって汚染された食品(特にミルク・乳製品)を介する感染により、一般には咽頭炎、扁桃腺炎として発病します。
<年齢別症状>

  1. 6ケ月以内の乳児
    胎盤を通して、母親からの抗体が移行するので、軽い鼻水、咽頭炎で経過することが多いです。
  2. 6ケ月~3歳児
    非特異的な上気道炎を示します。一般には、発熱(38°以上)・咽頭痛・腹痛がみられ、咳・鼻水はほとんどありません。
  3. 3~12歳児
    早期に抗生物質の投与を受けることが多いためか、典型的な経過をたどる例は少ない傾向にありますが、典型例では、突然の発熱と咽頭痛から始まり、1~2日遅れて発疹が出現します。発疹は、紅斑で頬・わきの下・太もも内側(ちょうどパンツをはいている部分)から始まり、全身に広がります。3~4日目には、いちご舌(舌が赤くなって、ぶつぶつがが目立つ状態)を認め、回復期の7日を過ぎると、手足の先端部分の皮がむけることがあります。
    同じ原因で、発疹がひどく、皮膚全体が赤くなる場合を猩(しょう)紅熱と呼びます。

<合併症>
経過中、中耳炎・副鼻腔炎(蓄膿症)・蜂窩織炎(皮下に細菌感染が広がる)を認めることがあります。さらに、最も重大な合併症は、発熱後2~3週間に認められる場合がある腎炎(急性糸球体腎炎)や、リウマチ熱です。これらは、時として一生の病気となる場合があり、注意が必要です。
<診断>
典型的な場合は、症状経過から診断可能です。咽頭ぬぐい液を用いた、迅速診断法または細菌培養。血清学的診断法。等々があります。
<治療>
経口抗生物質の投与を、10日間以上服用します。この治療が、確実にされているか否かが、腎炎・リウマチ熱発症の予防に大きく関わります。
治療開始後、約2日で、患児から他児への感染性は大きく軽減します。