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No.10流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

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1997年04月発信

今回は、流行性耳下腺炎についてお話ししましょう。流行性耳下腺炎は、頬がふくれて見えるため、俗に“おたふくかぜ”と呼ばれています。
【原因】
ムンプスウイルスで、飛沫感染によって、幼児や学童を中心に流行します。風疹と同じように、不顕性感染(罹ったのに症状がでない場合)が30~40%と多いのが、ひとつの特徴です。
一方、耳下腺がはれる病気には、ムンプスウィルスが原因でないものも少なくありません。たとえば「コクサッキーウィルス」「エコーウィルス」など他のウィルス、「連鎖球菌」等の細菌が原因で腫れる「化膿性耳下腺炎」の場合もあるし、細菌性と もアレルギー性ともいわれる「反復性耳下腺炎」という病気もあります。
【潜伏期間】
15~21日
【症状・経過】
主な症状は、唾液腺の腫れと痛みです。耳下腺部の痛みと、同時かやや前後して、耳下腺部が腫張します。唾液腺には、耳下腺、顎下腺がありますが、耳下腺が腫れ ることが多いため、頬がふくれたように見えます。約半数は、左右共に腫れますが、片方の場合もあり、診断に苦慮することもあります。しかし片方だけしか腫れな かったからといって、後で必ずもう一度罹患するということではありません。
耳下腺の痛みと腫れは、約1週間続きます。発熱については、後で述べる合併症 がなければ、ほとんどは軽度です。耳下腺に加えて約50%の症例では顎下腺も腫張します。
【合併症】
合併症としてまず第一にあげられるのが、髄膜炎で、以前はMMRワクチンで問題になりました。髄膜炎は、数%~10%とかなり高率に見られ、発熱、頭痛、嘔吐を特 徴とし、痙攣や意識障害がみられることもあります。高熱が続いたり、頭痛・嘔吐 がみられる場合には注意が必要です。
思春期以後の男性の睾丸炎・副睾丸炎の合併は、20~30%と比較的多く、まれに不妊症の原因ともなります。
その他卵巣炎、膵臓炎、腎炎等がみられることもあります。髄膜炎合併例に、ムンプス難聴とよばれる急性高度難聴(聾に近い)がみられることもあります。その際、難聴は耳下腺腫脹発現4日前~症状発現後18日以内に出
現します。
【治療】
治療は、麻疹などと同じで、対症療法が中心となります。痛み・腫張が強い場合 は湿布するのも良いでしょう。無菌性髄膜炎を予防する意味から、なるべく安静が 必要です。
【出席停止期間】
耳下腺の腫張が消失するまで、出席停止です。登校・登園する前に必ず再受診し、出席可能かどうか確認していただきましょう。
【予防】
予防が大切ですが、MMRワクチンでは、髄膜炎の副作用が約1000人に1人の発 症をみたため、現在は接種中止されています。単独のワクチンでは、その心配はほ とんどありません。
髄膜炎の頻度が多いことや、思春期以後では睾丸炎の頻度が高く重症になることも多いため、予防接種(任意接種)を受けるようにしたいものです。