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No.129日本脳炎ワクチン

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2008年10月発信

日本脳炎とは

突然の高熱、頭痛、嘔吐、意識障害及びけいれん等を主な症状とするウイルス性の急性脳炎です。かつては死亡率、後遺症を残す率がそれぞれ約30%といわれ、現在では死亡率約15%とされていますが、今でも後遺症を残す例は多いものです。
ただし、日本脳炎ウイルスの感染を受けても大部分の人は症状が出ず、脳炎をおこすのは、概ね1000人に1人とされています。
最近は、年間10人以下程度が西日本の高齢者を中心に発症していますが、若年者の発症もみられています。世界的にみれば、日本脳炎ウイルスは東アジア、東南アジアに広く分布し、患者は多発しています。日本では、日本脳炎ウイルスは通常ブタで増殖します。ブタからヒトへの感染はコガタアカイエカが媒介しますが、ヒトからヒトへの感染はないものの、ブタの感染率は依然高く、安心は出来ません。

現行の日本脳炎ワクチン

日本脳炎ウイルスをマウス脳内で増殖させ、不活化した後に精製したワクチンです。同ワクチンは定期接種の対象で、初回2回(3歳が標準)と追加の1回(4歳が標準)を1期として6ヶ月~7歳半の間に行い、2期として9~13歳未満(9歳が標準)の間に1回行うことになっています。
免疫効果は優秀で、2回接種群で80%以上の予防効果を示したとのデータがあのます。また、予防接種普及後に小児の患者が激減した事実も、その効果を物語っているのですが、下記のような勧告後、その接種がほとんど行われていない現状が危惧されています。

日本脳炎ワクチンの副反応と厚労省の勧告について

一般的な副反応としてみられるものは、注射部位の発赤、疼痛などの局所反応や発熱等ですが、これらも他のワクチンと比べて頻度が特に高いものではなく、基本的には安全性の高いワクチンです。
ただし、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という神経系の疾患が極めて稀(70万~200万回に1回)に起こりうるとされており、これが原因で、2005年5月に厚労省から「日本脳炎ワクチンの積極的勧奨の差し控えについて」という勧告が出されました。
これは現行の日本脳炎ワクチン接種を積極的には勧めないという意味で、その定期接種が中止になったわけではありません(14~15歳で行っていた3期のみ中止になった)。副反応の説明を受けた上で同意書に保護者が署名すれば本来は受けることができます。ただし、2008年9月現在でも、ワクチンの供給状況は非常に不安定で、いつ完全に無くなるかわからない状況です。

今後の展望

ADEMが起こりにくくなるとされている新ワクチンの提供時期は2009年度ともいわれながら、まだ確実ではなく、安定供給ができるのかなどの課題も多いようです。上の勧告に従ったまま定期接種年齢を超えた児が多数に及ぶことも予想され、その救済措置も問われます。ブタや蚊が多いなどの危険性に応じた対応が必要です。厚労省は「蚊に刺されないように」というポスターを配布しているような状況です。