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No.130断乳? 卒乳?

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2008年11月発信

哺乳動物はその発達の初期、母親の乳汁によって成長します。そして、次第に乳汁以外の食物を摂取するようになります。いろいろな食物を摂取するためには、歯が必要です。その歯も、切歯、犬歯、臼歯のようにそれぞれ役割分担があり、成長とともに生えそろってきます。
一番遅く生えてくる臼歯が出てくるのは1歳半ごろまでで、これまでに離乳を完成させるのが一般的です。それは、この時期には噛み砕いてすりつぶすことによって普通の食事を摂取できるようになるからです。
この離乳の過程で、断乳や卒乳が必要でしょうか。離乳の過程は、乳汁以外の食べ物を摂取できるようになることです。その結果として乳汁の摂取をしないですむようになるわけであって、離乳が完了したとしても授乳を止めなければならないということとは違っています。
さて、おっぱいを止める「断乳」と「卒乳」はそれぞれどう違うのでしょうか。ながく、母子健康手帳には「断乳」の記載がありましたが、この「断乳」という言葉は平成14年4月の母子健康手帳からなくなりました。「断乳」という言葉がもつ意味、あるいは響きといった方がよいかも知れませんが、それは乳汁を与えることを断つことです。すなわち何らかの意志をもった行為です。その意志は誰の意志でしょうか。そして、その意志はなぜ働いたのでしょうか。お母さんが止めたいと思って止めるのでしょうか。なぜ止めたいのでしょうか。仕事に復帰するため、体がしんどいから、などいろいろな理由があるでしょう。このような母親の意志だけによって行われる「断乳」を避けたいという考え方が母子健康手帳の記載の変化として現れたのだと思われます。
それに代わって、赤ちゃんの意志を考慮して「乳離れ」するという言い方が「卒乳」という表現となったと思われます。すなわち、おっぱいを止めるということは二人で決めることであって、母親だけで決めることではなく、子どもの意志を尊重することが重要だということに気付かれたのです。子どもの意志はどうやってわかるかというと、それぞれの母親だけがわかることだと思いますし、それぞれの方法があるでしょう。
子どもが授乳・哺乳を通して母親から受け入れられている(愛されている)という満足感を求めている間は、子どもはおっぱいから卒業できません。納得した上で止める(卒業する)と決めた子どもは、母親の愛情で十分満たされているでしょうし、その子どもは人を愛するという基本的な感情が芽生えていると思われます。
卒業する時期については、一応のめやすとして2~3歳頃と考えられていますが、おっぱいを求められればやり続けて良いというのが、多くの小児保健関係機関の方針です。