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No.92成長期の足の痛み

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2005年02月発信

成長期には「足の痛み」を訴えたり、「歩行の異常」が見られることがありますが、どのような病気が多いのか説明したいと思います。
痛みの原因としては乳幼児期では感染や潜在性の骨折が多く、痛みのない歩行の障害は先天的な神経や筋肉の病気、骨関節の異常によって起こります。
先天性股関節脱臼の場合に「脱臼していると痛みが強いですか」と聞かれることがありますが、子供の場合強い痛みを訴えることはなく一般には脚の長さの違いや歩き方がおかしいということで気づかれることが多いようです。
5才から10才の児童では股関節疾患(ペルテス病、単純性股関節炎)、膝疾患(関節炎、円板状半月板)、足疾患(踵骨骨端症)などが痛みの原因として多い疾患です。足首を捻ったときに剥離(はくり)骨折を起こすことが多いのもこの時期です。思春期や10才代の児童では股関節疾患としては大腿骨頭すべり症がこの時期に発症しますが、ペルテス病や単純性股関節炎は少なくなります。スポーツ活動が盛んな時期なので外傷による骨折や靭帯損傷、半月板損傷のほかに使いすぎによる障害が膝関節の周囲で起こります。疲労骨折もスポーツ活動によるものがほとんどであり、下腿骨、中足骨、大腿骨、骨盤などあらゆる骨に見られます。どの年代においても腫瘍にも注意が必要です。

今回は股関節の痛みの原因となる代表的な疾患について説明します。

化膿性股関節炎

股関節に膿(うみ)がたまった状態で新生児や乳児に多く、初期には発熱が明瞭でないことがあります。オムツの交換時に強く泣いたり、脚をあまり動かさないなどが初期の症状です。股関節の切開や抗生物質の投与など急いで治療する必要があります。

単純性股関節炎

一過性の予後良好な股関節の炎症ですが原因はよくわかっていません。就学前後の男児に多く、急に股関節の痛みを訴えるようになり歩行の制限が見られます。熱が出ることはほとんどなく、数日から数週間の安静で自然に痛みが取れますが、痛みが強い場合や症状が持続したり再発を繰り返す場合は検査が必要と
なります。

ペルテス病

大腿骨の骨端核に骨壊死がおこり、初期の症状は痛みと歩行障害です。2~13才の間に発症しますが、6~7才の発症が多く、男児に多い傾向があります。壊死の起こった骨頭の修復には数年間を要すため、骨にかかる負荷を軽減させるための装具を長期間着用する必要があります。骨頭の変形が高度になると変形性股関節症をおこします。

大腿骨頭すべり症

大腿骨骨頭の成長軟骨の部位での損傷です。わが国では比較的まれですが、10~13才頃の発症が多く男子が女子の3~6倍を占めます。急に股関節の痛みが強くなる急性型とはこう跛行(足を引きずる)が主な症状である慢性型があります。何らかの手術的な治療が必要であることが多いようです。

股関節に原因があっても膝の周辺の痛みを訴えることもありますので、気になる症状
があれば一度は整形外科で診察を受けられたほうがよいかと思います。