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No.127感染性胃腸炎

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2008年08月発信

「感染性胃腸炎」は、感染症法により第5類感染症(国がその感染症の発行動向の調査を行い、その結果に基づいて必要な情報を国民一般や医療情報関係者に情報提供・公開していくことによって、発症・まん延を防止すべき感染症)に分類されています。
その定義としては【細菌又はウィルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症です。原因はウィルス感染(ロタウィルス、ノロウィルスなど)が多く、毎年秋から冬にかけて流行する。またエンテロウィルス、アデノウィルスによるものや細菌性のものも見られる】とあります。

臨床的特徴としては「乳幼児に好発する」とされています。定義、特徴からみれば、乳幼児の冬季に発症するウィルス性胃腸炎としてよいと思われます。この定義に多くの疾患が含まれているのは、下痢、嘔吐の症状が出現したとき、その症状だけでは鑑別が困難で、個別の特定治療法も無く、更に原因を特定する検査が、特にロタウィルス以外は臨床の場では殆ど行われていないことによると思われます。

一方、下痢、嘔吐が出現した時に、ウィルスではなく細菌性感染を疑う場合としては
1. 便の性状が少量頻回である。血液、粘膜の混入がある。腐敗臭がある。
2. 通常の胃腸炎より強い腹痛がある。
3. 食物摂取との関係が疑われる場合、

牛・ブタ・鶏肉ならばカンピロバクター, 鶏卵・鶏肉ならばサルモネラ属菌、魚介類では腸炎ビブリオなどの傾向が認められ、摂取後の時間や症状にある程度違いがある。(病原性大腸菌では、特に腸管出血性のO-157が有名ですが、これは第3類感染症として特別扱いとなります。)などから臨床的判断をまず行うこととなります。

なお、食物を介することが明らかで、特に複数人同時が発症などのケースは「食中毒」として別に取り扱われ、届出や対応も違うので注意が必要です。(原因は、ウィルス・細菌とは限りません)

治療として、細菌性感染の場合には抗菌剤の経口投与が有効であり、細菌感染の可能性があれば、便を積極的に検査すべきです。原因の鑑別特定や二次予防にとって重要です。ウィルス性感染では、治療は対症療法になります。脱水が強く、経口摂取が出来ない場合は輸液を行います。
予防は、食事前とトイレのあとの充分な手洗いが基本です。吐いたものや便を処理する時は使い捨てのビニール手袋をして、直ぐにふき取り乾燥させない事が重要です。ウィルスの場合は乾燥すると空気中に舞い上がり、それを吸い込んで二次感染することがあります。まな板、包丁などの調理器具の消毒、また加熱すべき食材は充分に加熱することです。不特定多数が出入りしたりする場所や各種収容施設などでは、特に集団感染・二次感染を防ぐための日頃からの注意と、発生時の厳重な消毒等の注意が必要です。
もちろん、家庭内でも日頃からの感染症予防に対する基本的取組が大切です。