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No.52急増しつつある産婦人科クラミジア感染症

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2001年02月発信

近年クラミジアという病原微生物によっておこるクラミジア感染症が急増してきています。特に、産婦人科領域における女性のクラミジア感染症は、自分自身だけでなく、男性や新生児などにも感染し、多彩な疾患を起こす厄介な病気です。
産婦人科領域のクラミジア感染症は、男女間の性行為感染症としてまず子宮の出口である子宮頚管という部位に感染し、子宮頚管炎をおこすことから始まります。子宮頚管炎の臨床症状は軽微なことが多く、症状があっても、帯下感・不正性器出血・腹痛などの非特異的なものだけのことが多いので、産婦人科を受診される方は少なく、慢性持続的に潜伏感染します。
また、日本における子宮頚管からのクラミジアの検出率は、一般健康女性で5~20%といわれており、広く蔓延していると考えられます。この子宮頚管炎が起点となり、クラミジアが子宮から骨盤内へ波及したり、男性や新生児に感染していきます。
子宮から骨盤内へ感染が広がっていくと、子宮内膜炎・卵管炎・骨盤腹膜炎などの骨盤内感染症をひきおこしてきます。骨盤内感染症の一般的な症状は下腹痛や発熱ですが、軽症のものから重症のものまでいろいろあり、手術を要する重症例も存在します。
卵管に感染が波及して卵管炎を起こすと、卵管の狭窄や閉塞がおこるため、不妊症の原因となったり、妊娠しても子宮外妊娠になったりします。さらに、クラミジアが子宮頚管に持続感染している婦人が妊娠したり、妊娠してからクラミジアに感染した場合流・早産をおこすことがあります。一方、分娩時の産道感染によって新生児に結膜炎や肺炎をおこすこともあり、その感染率は30~40%で、その内の15~25%に肺炎を起こすことが知られています。
クラミジア肺炎の致死率はそんなに高くありませんが、肺炎を反復したり、呼吸機能障害をおこすこともあり、注意が必要です。
クラミジア感染症の治療法としては、クラミジアに有効な抗生物質の投与が中心となりますが、現在一般的に良く使われている抗生物質では効果が弱いため、クラミジアに良く効くものを使う必要があります。有効な抗生物質であれば、大体2~4週間の内服で十分な効果が期待できますが、クラミジア感染症は再発・再燃しやすいため、治療後も注意が必要となります。
現在クラミジア感染症は急増し、男女を問わず蔓延しつつあります。おかしいなと感じたら、ひどくなる前に早めに産婦人科を受診することをおすすめします。