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No.124思春期遅発症

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2008年04月発信

思春期遅発症とは13歳までになんらかの2次性徴が出現しないものとされています。そのうちでも最も代表的な1症状として遅発月経が位置づけられています。

日本産婦人科学会では思春期遅発症の定義として、「適切な年齢をすぎても乳房発育、陰毛発生および初経発来のすべてを見ないものをいう。その年齢は現状では乳房発育11歳、陰毛発生13歳、初経発来14歳である」としています。また最初の第2次性徴(多くの場合は乳房発育)の開始から5年以内に初経発来がなければ思春期の発育が遅延していると考えられ、「15歳以上で初経の発来したものを遅発月経」「18歳までに初経を見ない場合には原発性無月経」と定義しています。さらに近年の統計を集計した結果、わが国では多くの女性が満10歳から満14歳までに初経を経験し、満14歳までに95%以上の女性が経験しています。

初経年齢に影響を及ぼす因子として1:遺伝的因子 2:社会的、経済的ストレス 3:極度の肥満・低栄養による痩せ 4:過度な運動・労働などが挙げられます。

さらに内分泌学的には、(1)高ゴナドトロピン性卵巣機能低下症 (2)低ゴナドトロピン性卵巣機能低下症 (3)性管分化異常に大別されます。

(1)高ゴナドトロピン性卵巣機能低下症は思春期遅発症の病因の43%をしめ、その中に染色体異常を伴うターナー症候群、ステロイドホルモン産生酵素欠損症などが含まれます。

(2)低ゴナドトロピン性卵巣機能低下症は30%近くをしめ、中枢に病変があり卵巣機能低下を2次的にきたしたものです。このうち、中枢機能の成熟がなんらかの原因で遅れているものの、その後自然に思春期発育、初経発来をみる生理的思春期遅発症が約半数を占めています。そのほか体重減少性無月経や下垂体機能低下症、甲状腺疾患などが含まれます。

(3)性管分化異常は処女膜閉鎖、膣閉鎖、子宮形成不全などが含まれます。

思春期遅発症では身体的所見に特徴をもつ場合が多く、身長、体重、乳房、腋毛や陰毛の状態を調べ、また肥満や痩せの有無とその程度を調べる必要があります。特に大切なのは性器の注意深い診察で、陰核の発育の程度、陰核肥大の有無、膣、子宮の形態異常について調べることです。そして内分泌機能評価、染色体分析などの検査を行なっていきます。

治療は性ステロイドホルモン補充療法・クロミフェン療法で二次性徴開始の促進を図っていくことです。また思春期遅発症では精神的異常を伴い、骨格に不均衡、さらには骨塩量の減少により骨折を起こす危険が高くなるため、成長ホルモン、蛋白同化ホルモン投与などの治療を行なうこともあります。

臨床的には13歳を過ぎても二次性徴が出現しないものや、15歳になっても初経発来のない場合は思春期遅発症もしくは遅発月経として検査、治療を行なう必要がありまので、産婦人科などの専門医を受診することをお勧めします。