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No.50回虫症

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2000年12月発信

回虫症は、最も普通の人体寄生虫で世界各地にみられ、とりわけ温暖多湿な地方に多いといわれています。日本国内ではほとんど見かけることがなくなっていましたが最近再び増加しており、都市生活者での感染も見出されています。その原因として、有機農法の普及や外国からの輸入野菜の増加が可能性として指摘されています。
感染は、野菜などの食物に付着した成熟虫卵を経口的に摂取することによります。虫卵から孵化(フカ)した幼虫は消化管内から肝、つぎに肺へと体内移行し、再び小腸にいたり定着します。成虫は人体寄生線虫のなかでは大きい部類に属し、雄は14~22cm,雌は20~35cmに達します。成虫は小腸に寄生し雌一匹は1日に20~40万個の卵を産みます。また、成虫は人体内で1~2年生存するといわれています。消化管内の成虫は比較的無害ですが、大量の虫体が絡まって腸閉塞を起こすこともあります。
最近の症例は単数寄生で、糞便や吐物中に虫体が発見されて医療機関に持ち込まれることが多いようです。回虫は産卵数が多いので、消化管内に寄生している場合には、
診断は糞便検査が最もよいです。ただし、雄の単性寄生や幼虫の寄生では虫卵は検出されません。問診での原因食品の同定はあまり期待できませんが、家族内発症がしばしばみられますので、患者を見いだした時には同居家族なども検査する必要があると思われます。糞便中に虫卵が証明されたときには、駆虫薬の内服が必要となります。