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No.99味覚障害について

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2005年10月発信

味覚は人間の生活にとって重要な感覚です。味覚には甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つの基本味がありますが、例えば「何を食べても味がしない」等の症状を訴える人が年々増加しているようです。特に最近では高齢者のみならず若い世代でも、外食の多用や過度のダイエット、朝食の欠食等が原因で味覚障害をきたしている人が増えています。

症状

味覚減退:味が全体にうすく感じる
味覚消失:味が全くわからない
解離性味覚障害:ある特定の味(甘味など)がわからない
自発性異常味覚:何も食べていないのに口が苦い
異味症:本来の味と違う味がする
悪味症:食べ物が何とも表現できないいやな味になる

原因

味覚を感じる最初は、舌や軟口蓋、咽喉頭部にある味蕾(みらい)と呼ばれる器官が関係しており、この細胞は短期間のうちに死滅、新生を繰り返す新陳代謝の激しい細胞です。亜鉛が不足すると、細胞の新生に必要な蛋白質が合成できなくなるため、味蕾の味細胞のような蛋白質合成の盛んな細胞がまっ先に障害を受けてしまいます。味覚障害は、大部分味蕾機能の障害が原因であり、なかでも、食事性や薬剤の副作用等による亜鉛欠乏の場合が多いとされています。また他の原因として肝・腎機能障害や胃腸障害、糖尿病、貧血等の全身疾患によるもの、心因性(仮面うつ病など)、口腔疾患(舌炎、舌苔、火傷、唾液分泌障害・口腔乾燥症など)、風味障害(実際には味覚機能には障害がなく、嗅覚障害による)、中枢性及び末梢性の味覚伝導路障害、老化(味蕾数の減少など)等があげられます。

治療、予防

まず原因と考えられる疾患の治療を行います。亜鉛欠乏による味覚障害の場合は亜鉛製剤の投与で改善することが多く、原因が明らかでない場合(特発性味覚障害)に対しても亜鉛製剤の投与が有効なことがあります。薬剤性の場合には、利尿剤や降圧薬、向精神薬、抗癌剤など亜鉛に対するキレート作用により生じることが多く、薬剤を変更、減量あるいは可能ならば中止すると共に、亜鉛が欠乏していれば亜鉛製剤を服用します。末梢性の味覚伝導路障害では、原因疾患の治療と共にビタミンB12製剤やATP製剤などの投与も行われます。治療効果の判定は2~6か月を目安とし、例えば血清亜鉛値が正常になっても、また原因薬剤を中止したからといってすぐには味覚障害が改善するとは限りません。根気良く治療を続けることが大切です。味覚障害を予防するには、普段より亜鉛不足にならないよう食生活等に注意することが重要です。偏食をやめ、加工食品にも注意します(加工食品に含まれている食品添加物のなかには、亜鉛を体外に排出してしまったり亜鉛を吸収しにくくする作用があります。)。またアルコールもほどほどにし、日頃から亜鉛を多く含む食事(牡蠣、かずのこ、海草類、豆類、抹茶、緑茶煎茶、ココア、カシューナッツ、ごま等)を心がけましょう。