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No.97口腔アレルギー症候群(OAS)について

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2005年07月発信

キウイを食べたら口がイガイガする」「セロリを食べると口の中がピリピリする」などの訴えで、受診される患者さんがいます。このような場合、Oral Allergic Syndrome (OAS)-口腔アレルギー症候群が疑われます。OASは誘発食物摂取後、数分以内に口腔咽頭に限局してアレルギー症状が出現し、その後すばやく症状が消腿します。最近、本症が花粉症やラテックス(天然ゴム)アレルギーの患者さんに多く合併することが知られるようになりました。日本では北海道の白樺(シラカバ)花粉症の患者さんの内、16%はリンゴなどの果物でOASが発症すると報告されています。

病態

粘膜における接触蕁麻疹で、誘発食物中の原因抗原が壊れやすいため、口腔内のみで症状が終わると考えられています。栗やバナナなど消化酵素や熱に比較的抵抗性があるものでは、消化器症状(嘔吐、下痢など)が強く出ます。

臨床症状

誘発食物(生の果実、野菜、ナッツ、スパイスなど)摂取後数分以内に口腔内、口唇、軟口蓋の刺激感、掻痒感、閉塞感を自覚し、浮腫、腫脹、水疱などを呈します。多くは15分以内に消腿しますが、中にはそれに引き続き、鼻汁、鼻閉、流涙、結膜充血、全身の蕁麻疹、時には咳嗽、喘息発作、呼吸困難などの呼吸器症状、腹痛、下痢などの消化器症状、アナフィラキシィーショック症状にまで至ることもあります。

診断

誘発食物負荷の臨床症状とskin prick test (皮膚表層に小さな傷をつけて、抗原を入れ,即時型反応の有無を調べる検査法)で診断します。ただし、検査用の抗原でのprick testやCAP-RASTによる非特異的IgE抗体検出も有用ですが感度が低いため、感度の高い、食物そのものを用いるprick by prick test(果実を切って、果肉にプリック針を刺し、その後速やかに皮膚を刺す)がよく用いられます。自覚症状のみで診断する場合、メロン、パイナップルなどの刺激による口腔掻痒感をアレルギーと勘違いしないように注意する必要があります。それぞれの花粉との関連が知られている食物の例を一部示します。

シラカンバ(カバノキ科)

リンゴ、桃、サクランボ、洋梨、セロリ、人参、キウイなど。(同じカバノキ科樹木として六甲山麓にはオオヤシャブシがあります。)

ブタクサ(キク科)

メロン、スイカ、キュウリなど。

ヨモギ(キク科)

セロリ、人参、クミン、メロン、リンゴなど。

カモガヤ(イネ科)

ジャガイモ、トマトなど。

治療

誘発食物の除去を行います。しかし、アレルゲンとなる果実、野菜の蛋白は加熱、凍結で壊れやすいので、加熱(生焼けでは不十分)したものや、缶詰は摂取可能です。