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No.53アトピー性皮膚炎のスキンケア

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2001年03月発信

「ドライスキン」による皮膚のバリア機能の低下がアトピー性皮膚炎の発症と大きな関係がみられます。そこで、皮膚のバリア機能を維持し、アトピー性皮膚炎の原因となる環境因子から皮膚を守る「スキンケア」が必要となります。皮膚の表面を覆っている角質層はラップフィルム一枚の厚さがあり、体内から水分が逃げるのを防ぎ、外からの刺激や有害物をシャットアウトする働きをしています。こうしたバリア機能を発揮するためには角質層は水分を含んだ潤いのある状態でなければなりません。

皮膚の水分のメカニズム

角質層の水分のほとんどは大気中の湿気と汗に由来すると考えられます。したがって、冬は空気が乾燥し汗の量も少なくなるため、肌が乾燥しやすくなります。さて、皮膚の保湿には皮膚を構成する皮脂と角質細胞間脂質(セラミド)がうまく機能することが必要です。皮脂の分泌は性ホルモンに影響され、思春期前の子どもやお年寄りは皮脂の分泌量が少なく、皮膚が乾燥する傾向がみられます。また、セラミドは水分をため込む性質があり、角質層の水分を保持するために皮脂以上に重要な働きをします。そして、アトピー性皮膚炎の患者さんには普通の人に比べ、セラミドが少ない傾向がみられます。

スキンケアのポイント

皮膚を清潔に保つ・・・石けん

皮膚の表面にはダニ、細菌やウィルスが付着し、また、汗やさまざまな汚れがアトピー性皮膚炎の原因になることがあり、これらをきちんと除去することが必要です。そのためのひとつの方法は刺激の少ない弱酸性の石けんで汚れを落とすことです。香料などの刺激成分を含むものは避け、「殺菌することが」より、「汚れを落とすこと」が大切なので薬用石けんは控えた方がよいようです。石けんを使用した後は丁寧にすすぎ、石けんの成分を完全に流し去ることも大切です。すすいだ後に浴槽に入ることが有効です。また、皮膚をごしごしこすると、角質層が剥がれ落ちるため、からだを洗う時は石けんをつけた手や柔らかいタオルでやさしく洗うようにしましょう。

皮膚のバリア機能を補う・・・保湿

石けんで皮膚の汚れを落とす時、同時に皮脂膜も一緒に落としてしまいます。そこで、ワセリンなどで失われた皮脂を補い、角質層の表面に皮膜をつくり、水分の蒸発を防ぎます。また、角質層の水分保持能を高めるために「尿素軟膏」や「ヘパリン様物質軟膏」などを使用します。これらを使うタイミングとしては入浴直後に行うことが理想的です。入浴することで角質層は水分の多い状態ですが、石けんで皮脂が洗い流され、放置しておくとどんどん皮膚から水分が蒸発していきます。そこで、入浴直後の皮膚が潤っている時に水分を逃がさないようにスキンケアすることが大切となります。