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No.118ひきつけ

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2007年08月発信

動物の神経(脳)と筋肉には電気が流れています。この電流が脳電図(脳波)と筋電図(含心電図)であり、この電流が途絶えると脳死、心臓死(死亡)ということになります。
子供はよくひきつけを起こします。全小児の約1割がひきつけた経験をもっているといわれています。またてんかんの6割以上は15歳までに発病します。ひきつけは家族にとっても、大変衝撃的な症状です。ひきつけの中で最も多いのは、生後6ヶ月以降の乳児から、6歳までの幼児に好発します「単純性熱性けいれん」です。この時期は感染症にかかり易く、発熱することが多く、代謝も急速なので脱水なども起きやすくなります。発熱時、特に体温が上昇する途中にひきつけ易いですが、学童期になると熱が出てもひきつけを起こさなくなるのが一般的です。しかし、本来、発熱してもひきつけないのが正常ですので、3回や4回ひきつけたからと言って騒ぐほどのことはないと放置しておくと、実はてんかんだった(熱性けいれんの数%がてんかん)ということもあります。  
急に眼が一点を見つめ(ひきつけの時は必ず開眼している)、意識消失(呼んでも返事をしない、立っている事も出来ないので浅いプールでも窒息する)、全身を硬く(強直)して息をしないので顔面蒼白、口唇にチアノーゼがみられます。しばらくすると息を吹き返し、全身をガクッガクッと動かしはじめる(間代)。こうなったら呼吸が再開されたので一応安心できます。やがて間代性けいれんも止まり眠りだす(後入眠)。これが単純性熱性けいれんですが、けいれんが長く続き(15分以上)、けいれんに左右差があったり、意識の回復が長引いたり、もともと知能、運動の遅れがあれば(複雑性熱性けいれん)、 初めてのひきつけであってもすぐに病院に送られる必要があります。ひきつけの究極の原因は未だ明らかではありませんが、神経細胞の細胞膜にはNaイオン、Caイオン、その他の伝達物質の通る穴(イオンチャンネル)があり、これらが急激に細胞の中に流入すると神経細胞は興奮し、異常な放電がおこり、ひきつけが起きます。この細胞膜のイオンチャンネルを作る遺伝子が変異していて、6歳以降も熱性けいれんが持続し、ミオクローヌス、欠神発作など多彩なてんかんを合併している常染色体優性遺伝形式の大家系があることがオーストラリアとフランスで報告され、全般てんかん熱性けいれんプラスとよばれて注目されています。
ひきつけが何回か起これば、脳波をとる必要がありますが、ひきつけてすぐにとってもひきつけの波は出ないことが多いです。1~2週後に覚醒から自然睡眠に至る(入眠期にてんかん波は最も出やすい)脳波を、前夜の睡眠時間を減らすなどして昼寝をする時間帯に検査する事が望まれます。