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No.64「耳」の話あれこれ

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2002年04月発信

耳掃除は必要か?

耳の異常を訴えて耳鼻科を受診する患者さんの多くが、耳掃除による外耳道炎です。耳かき、綿棒、爪楊枝などを駆使して日夜、耳垢を取り続けた結果、外耳道の皮膚は真っ赤になり、水様性もしくは膿性耳漏が出ていたり、時にはカビがはえています。慢性的な痒みや痛みはここから生じます。はたして耳掃除は必要なのでしょうか。

耳垢とは?

耳垢は、外耳道の皮膚から剥がれ落ちた角化物を主体にして、皮脂腺や耳垢腺からの分泌物と塵埃との混合物です。日本人の80%以上が乾燥型耳垢であるのに対して白人の90%以上が湿潤型です。いずれの耳垢も外耳道の奥で形成され、顎の運動や外耳道の皮膚の移動によって耳の外へ排出されます。自動的に耳の中のごみを掃除するのです。
また、耳垢には高濃度の脂質が含まれていて、ある程度の撥水性があるため耳の中に水が入るのを防いでくれます。さらに、耳垢は弱酸性で、その中に抗菌物質や抗体が含まれており細菌や真菌に対して発育抑制作用を持っています。
以上のことから、耳垢を取る必要は無いと思います。自然界では、人間以外の動物で耳掃除をするものはいませんが、耳垢がたまって難聴になっているでしょうか?。

耳に水が入ると大変?

子供の耳に風呂の水が入ったと、駆け込んでくるお母さんがいますが、はたして耳に水が入ると大変なことになるのでしょうか。外耳道も鼓膜も皮膚組織で覆われていて水にぬれても大丈夫。約37度の体温のため水はやがて蒸発します。何もしなくて
良いのです。
ただ水が入ると耳閉感のため不快になります。こんな時は、ちり紙でこよりを作って、これをそっと耳の中に入れて水を吸い取ります。決して綿棒を使わないでください。外耳道に傷をつけたり、ふやけた耳垢を耳の奥に押し込んでしまいます。耳垢が詰まって難聴になった患者さんの大半は、普段から綿棒で耳掃除をしている人です。ところで、耳に水が入ると中耳炎になる、ということをよく聞きますが本当でしょうか?。鼓膜にすでに穴があいている慢性穿孔性中耳炎では、耳に水が入ると耳漏が出てきますが、一般的な急性化膿性中耳炎や滲出性中耳炎は、外から水が入るのとは全く違う機序で起こるのですが、その話は次の機会にいたします。